サッカーやスポーツは全般的に攻撃に注目されがちです。
しかし、守備がきちんとできないと点を取られてしまっていたちごっこになってしまいます。
さらに守備が安定していると、安心して攻撃時をすることができチャレンジしやすくなります。
そうなると好循環に入り試合を有利に運びやすくなります。
また、DFがわかればOFの気持ちや戦術がわかり、OFの質も向上します。
サッカーで有名なイタリアではカテナチオ(堅守速攻のサッカー戦術)がメインになるほど守備は大切です。
試合に勝つためには守備もできなくてはいけない。またきちんと守れた時はうれしいものです。
今回はDFについて解説します。
目次
①概要(説明)、結論
➁長所 使う場面
③短所 使わない場面
④方法・やり方、コツ
⑤上手くいかない時に注意すべき点
⑥練習方法
⑦参考選手
①概要(説明)、結論
◦DFの目的
・DFの目的=点を取らせない(ゴールを守る)
→相手のボールを奪う(自分のボールにする)
(攻撃をさせない)
(相手に自由にやらせない)
(相手の流れにさせない)
→+αでカウンターを狙う(守備をチャンスに変える)
②DFの方法、コツ
◦基本(ディフェンスの原則)
・ポジショニング
ボールとゴールを結んだ線の上に立つ
(目的はゴールを守ること→ゴールを常に意識する)
(直線的にゴールに近づかせない)
・優先順位
インターセプト>トラップした瞬間>前を向かせない>攻撃を遅らせる
>サイドに追いこむ
*インターセプト→そもそも相手にボールを触らせない
=攻撃をさせない
自分のチームのボールにする
トラップした瞬間→トラップした瞬間は次のプレーに移るのが
(ボールを触るのが)難しい
=インターセプトしやすい
ボールをもってる相手に自由にプレーさせない
前を向かせない→攻撃の優先順位である前への進行をさせない
ボールと相手の動きを止める
攻撃を遅らせる→味方が守備を整える時間を作る
サイドに追い込む→ゴールから遠ざける
◦コツ
・共通―攻撃の基本的な知識を知っておく
(攻撃の流れや組み立て方を知っておくことでどのような攻撃をしてくるか
予想ができる)
相手の気持ちになって攻撃の意図を常に予測する
(どこが危ないのかを常に考え、起こりうるプレーを予測する)
(自分ならどのようなプレーをするか考えて、予測する)
(相手のプレーを事前に察知してその応対をいつでもできる準備をしてお
く)
相手のチームや選手の特徴を捉える
(早く特徴(長所、短所)をつかんでその選手の動きに対応する)
(相手のプレースタイルを早く知ることで対応しやすくなる)
ルックアップをして周りの状況をしっかりと把握する
(ボールの位置、自分のマークの位置、スペースを常に意識しておく)
ボールとマークする相手を同一視野に入れる
(同一視野に収められるように体の向きに注意する)
相手との距離に注意する
(裏を抜かれないように注意する)
(手を伸ばしてギリギリ届く距離又は足を延ばしてギリギリ届く距離を把握
しておく)
(相手に自由にやらせない)
(素早いアプローチをする)
受け身ではなく自分たちの主導で守備をする
(積極的に相手に仕掛けるディフェンスを行う)
(誘導、駆け引き、味方と協力)
(自らアクションを起こす)
(受け身だと体力、メンタルともに消費されやすい)
ボールが移動している時に出来るだけ相手に近づく
(アプローチはすばやく行う)
(相手が蹴ると同時又は蹴る瞬間・少し前から走り始める)
(相手がプレッシャーを感じる距離まで近づく)
(強引にボールを奪いに行かず裏をとられない距離で止まる
→相手のスピードそして裏をとられない距離感をつかんでおく)
(相手が顔をあげている時は無理に取りに行かない)
状況によってステップを使い分ける
サイドステップー左右の変化など細かい対応をするときに使う
クロスステップー一歩の歩幅が大きいため、移動するスピードが必要な時
に使う
*ボールがある方に体をむけながら移動できるメリット
がある
・インターセプト―インターセプトができるように予想・準備をしておく
相手の視線、体の向きを見てパスコースを予測する
裏をとられないように相手との距離を見極める
相手が自分を見てない瞬間を狙う
(相手が頭を下げた瞬間(=ボールを見たとき)に動く、とる)
相手とボールの間に素早く体を入れる
(相手の見えない位置からパスコースに素早く入る)
(相手に近い足を相手の前に素早く入れる)
(相手に遠い方の足を前に出そうとすると体に力が入りにくい体
制になる=競り負けやすくなってしまう)
インターセプトに挑戦しても問題ないと判断した場合のみボール
を奪いにいく
インターセプト後、味方につなげるようにする
(マイボールにする)
・トラップした瞬間―コントロールミス、トラップの瞬間に素早く反応する
ポジショニングの原則をしっかり守りながら準備をして待つ
タイミングを見極める
相手とボールの間に素早く体を入れる
(相手に近い足を相手の前に素早く入れる)
(相手に遠い方の足を前に出そうとすると体に力が入りにくい
体制になる=競り負けやすくなってしまう)
インターセプトに挑戦しても問題ないと判断した場合のみボー
ルを奪いにいく
インターセプト後味方につなげるようにする
(マイボールにする)
・前を向かせない―ゴール方向に向かわせないように自分の体をしっかり寄せる
(相手との距離を詰め、振り向かせない)
(相手に自由にやらせない)
(時間を稼ぐ)
(相手から離れずに体をしっかりと寄せる)
(密着し過ぎるとターンされるので注意)
プレッシャー時は腰を落として相手のバランスを崩す
相手が重心を乗っけてきたら、いなしてバランスを崩させる
可能ならインターセプトを狙う
(股の下からボールを奪う)
(足を伸ばしてボールを奪う)
・攻撃を遅らせる―相手との距離を意識する
(1~2m以内に相手を捉える)
(離れすぎると自由にやらせてしまう)
(近すぎると抜かれる可能性がある)
相手の動きにしっかりとついていく
(反応または予測しながらついていく)
相手のドリブル又はパスコースを限定する
・サイドに追いこむ―フィールドの中央のコースを切る
相手のドリブルコースをだんだん狭める
・1対1―相手の正面に立つ(状況によってはコースを限定する時もある)
相手との距離を把握する
~1m―インターセプトができる距離
1.2歩でボールに触れる
動く範囲が狭くて済む=防げる範囲が広い
1~2m―インターセプト又は相手の攻撃を遅らせることができる距離
相手の動きに反応できる距離
2~3m―相手に抜かれづらいが自由にプレーをさせてしまう距離
動く範囲が広い=防げるコースが狭い
相手にプレッシャーがかかりにくい=比較的自由にプレーをさせ
てしまう
姿勢を意識する
腰をきちんと落とす
ひざを軽く曲げる
(但し低く落としすぎない→地面に圧がかかりすぎて最初の一歩が出にく
くなる)
背筋は伸ばす
*体の体勢を低くする理由
基底面が広くなる→バランスを保てる
→反応した時に体重移動がしやすい
→横に踏ん張って移動しやすくなる
→歩幅が短くなりエネルギーが回転数に変わる
→細かくかつ素早く移動できる
ボールと目線が近くなる→脳に近くなるため反応しやすくなる
動くためには筋肉が伸び縮みしないといけない→膝を曲げることで筋
肉が縮んでいる
→膝のスプリントを使
える
すぐに動くことがで
きる
(棒立ちだと一回縮めなくてはいけないためロスになる、力がきちんと入ら
ない)
つま先立ちになる(かかとを浮かせる)
肩幅もしくはやや広めに足を広げる
(すぐに動けるようにするため)
重心は後ろ又は下
身体は半身になる
(正面を向かず片方の肩を前にする)
(斜めに構える)
プレッシャー後相手に近づいてきたら細かくステップを踏んで距離を調節す
る
ボールをしっかりと見る(フェイントに騙させなくなる)
相手の視線を見る
インターセプトをする瞬間を見極める
(相手が下(ボール)を見た瞬間)
(相手がボールを離した瞬間(トラップやドリブル時))
相手の進行方向に体を入れてブロックする
相手のドリブルのコースを限定する
(自分の行かせたい方向に誘導する、あえてパスコースをあける)
(横に動かれてもついていくことはできる、怖くない
→縦に抜かれないように左右どちらかのコースを限定する、又は予想して
動く)
後ろにパスをさせる、ボールを戻させたら勝ち
・数的不利―パスコースを切って限定し、数的不利を減らす
無理にボールを取りに行かない→相手の攻撃を遅らせる
・クリア―基本―ボールの軌道、落下点を見極める
(細かくポジションを修正する)
(ボールの軌道から予測する)
ボールのコースに入る
正確性を心掛けてしっかりミートする
(遠くに飛ばそうとして大振りすぎるとミスをしてしまう)
(しっかりミートすればある程度遠くへ飛ぶ)
―センターリング―ニアサイドのボールのクリア:クロスが上がってきた方
向にはね返す
(逆に跳ね返そうとするとゴール前に飛んでしまう危険
がある)
―ファーサイドのボールのクリア→クロスが上がってきた
方向と逆サイドにクリ
アする
(上体をひねって視界の外にボールを飛ばす)
(ボールが来た方向にクリアするとボールがゴール前に
いってしまう)
・その他―トラップした瞬間に体を寄せる、インターセプトを狙う
ボール又は相手に寄せる時は速くする
止まる時は小刻みにステップを刻む
シュートを打たせないー点を奪われないようにゴールを守る
シュートコースを開けない
ゴールを守る
絶対にあきらめない心をもつ―ぬかれてもあきらめずに追い相手にプレッ
シャーを与えることでミスを誘える、味方
の助けを待つ
スライディングは最終手段
(スライディング後に自分のボールにするのは難しい)
(ボールに近いほうの足を延ばす)
⑤上手くいかない時に注意すべき点
◦共通―守備の優先順位は正しく理解・把握できているか
(インターセプト>トラップした瞬間>前を向かせない>遅らせる>サイド
に追い込む)
ボールに対して素早くアプローチ出来ているか
(ボールが移動している時に相手との距離を詰められているか)
常に動ける準備をしているか
常に相手の行動を予測しているか
(先を考えているか)
(パス・ドリブルのコース、パス・ドリブルのタイミング)
細かいステップを踏めているか
(相手の動きに臨機応変に対応できているか)
正しい姿勢で行えているか
(半身の姿勢)
(腰を落として重心を低く構える)
(かかとを少し上げた状態で準備する)
体の向きは正しいか
(ボールとマークを同一視野に収められているか)
相手の選択肢をなくすためにコースを限定できているか
自分の守備範囲を把握できているか
正しい立ち位置にいるか
(相手がプレッシャーを感じる距離まで近づく)
(ボールとゴールを結んだ線の上に立つ)
正しい距離で行えているか
(相手と適切な距離をとる)
(1m→インターセプト 2m→良い位置 3m→遅らせる)
ボールをきちんと見ているか
(相手を見るとフェイントに引っかかりやすい)
体の動かし方、足の動かし方は正しいか
重心は下又は後ろになっているか
キープされている時の対応は正しいか
(前を向かせない、股の間から奪う)
ボールを離した瞬間(トラップやドリブル時)にインターセプトを狙う
→進行方向に体を入れてブロックする
相手の足からボールが離れた時を狙えているか
(ドリブルで抜く瞬間、トラップした瞬間、ボールを蹴る瞬間)
相手が頭を下げた瞬間(ボールを見たとき)にインターセプトを狙っているか
最後まであきらめないで行えているか
正しいステップを踏めているか
(相手の行動の予測、体の準備)
相手とボールの間に体を入れられているか
(ボールが離れた瞬間を狙う)
タイミングをきちんと見計らっているか
(相手がボールを蹴った瞬間を狙う)
◦前を向かせない―相手と適切な距離をとれているか
(体を寄せられているか)
守備位置は合っているか
(左右どちらからかボールを取ろうとすると反対方向にターンさ
れてしまう)
◦攻撃を遅らせる―相手と適切な距離をとれているか
(抜かれない距離にいるか)
◦サイドに追いこむ―相手と適切な距離をとれているか
(抜かれない距離にいるか)
相手のドリブル、又はパスコースを限定出来ているか
◦1対1―体の向きは適切か
(両足がまっすぐにそろっていると次の動作をスムーズに行えない、バラン
スがとれない)
体の使い方は適切か
(腰が上がっている(ひざが伸びている)と動作がスムーズに行えない、バ
ランスがとれない)
正しい距離で行えているか
相手の動くコースを限定で来ているか
直線的にゴールに近づかせないようにしているか
素早くボールに寄せられているか
(相手の動き、ボールの軌道を予測する)
◦数的不利―相手の動くコースやパスコースを限定で来ているか
◦クリア―クリアする時力みすぎていないか
◦その他―個人差があるため自分のやりやすい方法を模索する
⑥練習方法
◦1対1
◦3対3
◦コーディネーショントレーニング(ステップ)
⑦参考選手
◦中澤佑二
◦チアゴシウバ
◦セルビオラモス